税務通信と労務についての勉強会

労務研修

社会保険の諸制度は、加入義務や給付内容が年齢によって変化します。特に40歳、65歳、70歳、75歳が大きな節目となります。事業主は従業員の各年齢の節目で所定の手続きを行う必要があります。

●健康保険・介護保険

  • 0 歳~39 歳: 健康保険に加入し、保険料を支払います。介護保険の被保険者ではありません(保険料の支払いはありません)。
  • 40 歳~64 歳: 健康保険に加えて介護保険の第2 号被保険者となります。健康保険料と合わせて介護保険料が徴収されます。
  • 65 歳~74 歳: 介護保険の第1 号被保険者となります。健康保険は引き続き継続しますが、70 歳からは医療費の自己負担割合が変わる場合があります(「高齢受給者証」が届きます)。
  • 75 歳以上: 現在加入している健康保険から自動的に脱退し、後期高齢者医療制度に加入します。それまでの被扶養者としての資格も失います。

●厚生年金保険

  • 就職~69 歳: 原則として厚生年金保険に加入する義務があります。保険料は給与・賞与に応じて決まります。
  • 70 歳以上: 70 歳の誕生日の前日で、自動的に厚生年金保険の被保険者資格を喪失します。以降、厚生年金保険料の支払いは不要となりますが、一定の要件を満たす場合は「70 歳上被用者」として扱われ、在職老齢年金制度の対象となります。なお、受給資格を満たしていない場合は任意で加入を継続できる場合があります。

●労災保険

年齢による加入条件の制限はありません。企業に雇用されていれば何歳でも適用されます。

●雇用保険

2017 年の法改正で、加入対象年齢の上限が撤廃されました。65歳以上の従業員でも、週の所定労働時間が20 時間以上かつ31 日以上の雇用見込みがある場合は、「高年齢被保険者」として雇用保険が適用されます。

税務通信

非居住者の国内源泉所得について

昨今、非居住者等が日本国内の不動産を保有するケースが増加しており、その非居住者等から不動産を購入又は借りる場合が多くなっています。原則は以下の通りですが、租税条約の影響や、売主及び貸主の属性を確認する必要があるため個別の事情に注意が必要です。

●購入した場合

  • 対価の支払時に所得税と復興特別所得税を10.21%で源泉徴収
  • 個人が自己又はその親族の居住の用に供するために取得した不動産で、その不動産対価の額が1億円以下である場合は、その個人が支払うものは源泉徴収不要 
    ※ただし、法人が取得して対価を支払う場合には、1億円以下で居住用であっても源泉徴収必要

●借りた場合

  • 賃借料の支払時に所得税と復興特別所得税を20.42%で源泉徴収
  • 個人が自己又はその親族の居住の用に供するために不動産を借りる場合に支払うものは源泉徴収不要
    ※ただし、法人が借りて賃借料を支払う場合は、源泉徴収必要